推し曲を多重録音で再現したい!!
- sinの使い手
- 2024年9月28日
- 読了時間: 7分
更新日:2024年11月29日
旅人さん方、2度目まして!
原神同好会所属、1年生のsinの使い手と申します。前回原神内のアイテムの価値を解き明かした、あのsinの使い手です。
(前回の記事はこちらから!
最近は2年半ぶりに最新の魔神任務に追いつき、召使とエミリエとムアラニを引いて、原神をホックホクで楽しんでいます。心海と申鶴と閑雲とマーヴィカ待ちなんですが、果たしてガチャに来るのはいつなんでしょうね??
さて、原神における私の推しは甘雨とエウルアです。
その中でも甘雨は原神を始めてすぐに好きになったキャラで、思い入れもめちゃめちゃあります。

もちろん好きなキャラの実践紹介PVは擦り切れるほど見返すことになる。すると必然的に、使われている曲「麟躍幽岩」が大好きになってくるわけです。
そこで今回の記事は、甘雨のテーマ曲である「麟躍幽岩」をどうにか再現しよう!!という企画です!
(ちなみに甘雨の実践紹介PVマジで良すぎるので見てほしい。)
「どうにか再現…って、実際どうするんだろう?」と思ったそこのあなた!大丈夫です。道具は揃っています。
まず私は幼少期からピアノを習っていて、家にはピアノがあります。
そして絶対音感も持っているため、ピアノでカバーすればよいのです。
……「いやいや、素人にピアノ編曲ができるかね?好きな曲を貶めることがあってはならんぞ?」
……「そういやお前、原曲が好きすぎるあまりピアノ編曲をやると全部の音を拾おうとするんじゃなかったか?」
ならば!!全部の音を拾った楽譜を作り、何重にも録音録画をした上でパソコンで編集して一つにまとめればいいじゃないか!!!
ということで企画の本編、始まります。
採譜の流れ
まずは何はともあれ、楽譜を作らなければいけません。ピアノで再現するだけならDTM(デスクトップミュージック)でパソコン上でやればいいので楽譜は不要ですが、今回は「現実世界で」「自分が」ピアノを弾くのですから話が違います。
ちょうどここに楽譜作成ソフトMuseScoreがあるので、採譜(楽譜に起こすこと)の流れを見てみましょう。
いかがだったでしょうか?
本当はAIなどを用いてもっと効率的にできるのかもしれませんが、私は昔ながらの地道な方法で採譜をしています。
実はこのソフトとは原神よりも長い付き合いがあるので、かなり操作に慣れています。
1日目(9/18)の進捗
さて、構想はずっと前からありましたが、作業に手をつけたのが9/18のこと。
この日の実働時間はおよそ2時間。最初のゆっくりな部分はほぼ出来上がっていますが、テンポが上がったあとの部分は物足りない感じがします。
原因は主に2つ考えられます。
・中低音域に音がない
テンポアップ後の楽譜の4,5段目をご覧ください。ここは自分の中でメロディより低くベースより高い音を書く場所としていましたが、見ての通りまだ何も書いてありません。
やはり全ての音域でまんべんなく音が鳴っている方が良く聞こえるので、楽譜の見た目のスカスカ感がそのまま全体のスカスカ感を表しているのですね。
・和音がいない
音楽に色を与える、という詩的な表現をしても過言ではないくらい和音/伴奏は大事なものです。その和音がいないというのも、物足りなさを感じる原因です。
2日目(9/20)の進捗
この日の作業時間は1時間ほど。
ひとつ前の動画と比べると、かなり充実したというかスカスカ感が減ったのではないでしょうか。
5段目に書き入れた音符たちには、中低音域を埋め、和音を担当してもらい、さらには8分のリズムで刻んでもらうことで全体に躍動感が出せています。
また1,2段目にストリングスとピアノの音を採譜して、高音域がさらに埋まったのもよくなったポイントかなと思います。
3日目(9/25)の進捗
この日の作業時間は3時間ほど。
この日は後半を一気に進めたので、前半はひとつ前の動画とほとんど変わりません。
後半で個人的に良かったなと思うポイントが3つあって、
・2回目にゆっくりになった部分の打楽器を再現できたこと
「テケテケテ テ テ パイ~ン」です。一般的には打楽器には音階がないので、原曲厨の自分からすると大敵なんですよ。あのニュアンスって本当に再現しづらくて、一度はやめようかと思ったのですが、奇跡的にあまり違和感のないアレンジができたので採用しました。
・最後の盛り上がりに向かう助走
の、特に3段目がよくできたと思います。曲全体を通して、音が響き渡ることによって溶けている(リバーブがかなりかかっている)印象がありました。16分音符でオクターブを跳躍しながらメロディを弾くことで、反響とラストに向かう緊迫感が両方とも再現できていて、、余は満足じゃ。うむ。
・最後の盛り上がりのアルペジオ
アルペジオとは、和音を構成する音を1音ずつ順番に奏でる演奏方法で、今回は2段目がやっていることにあたります。いつも聞いていてそこのストリングスが印象的だったので、割とよく再現できて良かったな、と思います。
さて、これで完成なのでとっとと録音して終わりましょ、、、と思ったのですが、皆さんお気づきでしょうか。
曲の再現度を上げるために、楽譜の難易度も上げてしまったことを…。
先ほど挙げた「最後の盛り上がりに向かう助走」「最後の盛り上がりのアルペジオ」の2箇所が難所となってしまいました。果たして録音はできるのか!!
録音・撮影
録音は自分の家のピアノでやりました。
今回は、最初にメロディとなる3段目を音源に合わせて録音し、残りの1,2,4,5,6段目はその3段目の音に合わせて録音する、という手法を取りました。全てのパートを音源に合わせるという手もありましたが、この方が完成形のクオリティが上がると考えたのです。
あとこれは雑談というかあまり関係ない話なのですが、iPhone13をアップライトピアノの天板に置いて広角で映すと、ちょうど鍵盤の端から端まで映るんですよ!これを発見したときは鳥肌が立ちました。
昔は出来なかったんですよ?広角カメラがなかったので、全体を映すために鍵盤から距離を取ろうとして、天板の上に踏み台やら辞書やらを乗っけたら母に怒られたのを覚えています。技術の進歩ってすごい。
難所がどうなったかは…完成版のお楽しみで!
だいたい1時間で収録を終えました。
編集

なんだかんだでこれが一番大変でした。かかった時間は4時間くらい。
なんせ6つの動画を同時に流すので、PCが重くなる。常時タスクマネージャーからパフォーマンスのグラフを開いていました。(決してかっこいいからではない。決して。)
あと縦のタイミングを合わせるのも地獄の作業でした。一応各パートは3段目の音に合わせて収録していたのですが、それぞれ撮り始めるタイミングが違ったので揃えなければいけませんでした。しかも、実は全てが一発撮りというわけではない(1,2,4段目は前後半に分けて、5段目は3部分に分けて録音した)ので、その分揃える箇所が増えました。
あとは全体で大きくなりすぎないように音量の調節をしたり、鍵盤の位置を合わせたり、最初にフェードインを入れたりしてこだわっていたら、4時間かかってしまったわけですね…。
完成!!
さて、ここまで長々とお待たせいたしました。
こちらが今回の成果物、12時間をかけて「麟躍幽岩」をピアノ6パートで再現した実写動画です!
……うーーん、すごいけどなんか思ったよりボロボロかも!!!!
まずメロディくんに感情がありません。自動演奏になくて人間の演奏にあるものが”感情”なのに、それが欠けています。サイコパスメロディくんです。
あと揃ってほしいところが揃っていません。Zoomで合奏をしているよう…というと言い過ぎだけど、ホームのこちら側と向こう側で会話をしてるような、そんなもどかしさを感じます。
鍵盤6つを縦に並べるという構図のインパクトは中々にあって、それだけでも実写でやった意味はあるかもしれませんが、それにしたってもう少しクオリティを上げたかった。ステージでの本番なら弾いちゃったものは変えようがないのである程度諦めがつきますが、録音して皆さまにお出しするとなると一気に悔しくなってきますね…。
今回の反省点
・時間が足りず録音の質が悪くなってしまった(完全に自業自得)
・無駄にパート数を増やしたせいで全体のクオリティが下がった&編集が大変だった
・原曲はストリングスがロングトーンで和音を奏でて重厚なイメージがあったのに、それが再現できず逆に躍動感が出すぎてしまった
でもまあ、思い描いていたものが形になる高揚感という創作の醍醐味は味わえたのでヨシとしましょう。
結論:自動演奏はすごい!!
最後までお読みいただきありがとうございました!ライターのsinの使い手でした!!
追伸その1
甘雨のアニメイトコラボ行ってきました!!楽しかった!!!

追伸その2
もう1人の推しであるエウルアのテーマ曲「泡沫の舞」も楽譜を作ったので、それと併せて再録音/再編集でリベンジする予定です。お楽しみに!
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